「行政書士って、どんな資格なんだろう?」
そんな風に思ったのは、私が転職を考えていた30代の頃でした。
仕事にやりがいを感じられず、でも何か「手に職」がほしい。
そんな時に出会ったのが、行政書士という国家資格です。
調べていくうちに、「年齢や学歴関係なく誰でも受験できる」「法律系でありながら独立開業も可能」「副業や在宅ワークにも対応できる」という魅力に惹かれて、私は思い切って勉強を始めました。
この記事では、行政書士試験の基本情報から難易度、勉強方法、資格の活かし方まで、自分の経験も交えながらわかりやすくお伝えしていきます。
Contents
行政書士試験の基本情報
まず、行政書士試験は毎年11月の第2日曜日に行われます。
2025年の試験日は、11月9日(日)が予定日とされています。
受験資格についても驚きがあります。
年齢・学歴・職歴・国籍など、一切の制限がありません。
つまり、「誰でも挑戦できる国家資格」なのです。
私も法律の知識なんてまったくないところからのスタートでした。
でも、「誰でも受けられる」というハードルの低さが背中を押してくれました。
試験時間は午後1時から午後4時までの3時間。
私は当日、緊張のせいか最初の30分は頭が真っ白で問題が全然読めませんでした。
だからこそ、模試などで本番さながらの時間感覚に慣れておくのは本当に大事です。
合格基準と試験科目の配点
合格基準は、300点満点中180点以上を取ること。
でも、単純に180点を超えていればいいというわけではありません。
要注意なのが「一般知識等科目」の足切り制度です。
この科目は全体の中でも特にミスが許されません。
たとえ合計点が180点を超えていても、この科目で基準点に達していなければ「不合格」になります。
私は一度模試でこの足切りに引っかかり、かなり落ち込みました。
「法令科目は良かったのに……」という悔しさは今でも覚えています。
試験科目は以下の2つに大別されます。
- 法令科目:244点分
- 一般知識等科目:56点分
法令科目の内訳は、憲法、民法、行政法、商法・会社法、基礎法学。
特に重要なのが「民法」と「行政法」で、この2つだけで188点もあり、合格の鍵を握っています。
さらに、民法と行政法には記述式問題もあります。
40字程度の文章で答える問題が3問(民法2問、行政法1問)あり、これで60点分。
この記述がとにかく難しくて、「正しい知識」+「わかりやすく説明する文章力」が求められます。
私は最初、記述の勉強を後回しにしていましたが、本番直前に焦って手を付けて後悔しました。
記述は早めに対策を始めることを本当におすすめします。
一般知識等科目について
この科目は、以下のようなジャンルから出題されます。
- 政治・経済・社会
- 個人情報保護・情報通信
- 行政書士法など業務関連の法律
- 現代文読解(文章理解)
文章理解の問題が3問ほど出題されるのですが、これがまた手ごわい。
法律と関係なさそうに見えますが、「速く、正確に文章を読み解く力」は試験全体に通じる大事なスキルです。
全14問中、6問未満だと足切りになってしまうため、甘く見てはいけません。
勉強時間とライフスタイル別の学習計画
行政書士試験に合格するには、一般的に600〜1000時間の勉強が必要だと言われています。
私の場合は、仕事をしながらの受験だったので、1日1〜2時間の勉強時間を確保するのがやっとでした。
それでも約1年、地道に続けてなんとか合格までたどり着きました。
ライフスタイル別に見ると、以下が目安になります。
- 社会人(1日1〜2時間):約12ヶ月
- 学生・主婦(1日3〜4時間):約7〜9ヶ月
- 専念できる人(1日5時間以上):約4〜6ヶ月
ただし、これはあくまで「目安」です。
勉強の質や継続力によっても大きく変わってきます。
私は通勤電車で音声教材を聞いたり、昼休みにスマホで過去問を解いたり、スキマ時間をフル活用しました。
「1日10分でもやる」ことを意識していたのが、結果的に合格へと繋がったと感じています。
独学でも合格できるのか?
よくある疑問が「独学で大丈夫か?」という点。
私も最初は独学でしたが、途中で通信講座に切り替えました。
独学でも合格は可能です。
ただし、スケジュール管理や理解の難しさに苦戦しやすく、途中で挫折する人も少なくありません。
私は「LEC」の通信講座を使いましたが、講師の解説がとてもわかりやすく、特に民法や行政法の理解が一気に深まりました。
市販テキストだけではわからなかった部分が腑に落ちて、「時間を買う」という意味でも講座は有効だと実感しました。
行政書士資格の活かし方
行政書士の資格を取ると、いろんな可能性が開けます。
まずは「独立開業」。
建設業許可、飲食店営業許可、会社設立、相続や遺言書作成など、地域の人や中小企業をサポートする業務がたくさんあります。
また、副業や在宅ワークにも向いています。
例えば、行政書士として在宅で契約書作成や許認可の代行を行うことも可能です。
私の知り合いは、子育てをしながら在宅で行政書士業務をしています。
さらに、ブログやYouTubeなどで法律解説を発信して、副収入を得ている方もいます。
「難しい法律をやさしく伝える」というスキルは、情報発信の世界でも重宝されます。
他にも、宅建士や社労士、中小企業診断士などとダブルライセンスを目指す人も多いです。
実際、私も宅建士の勉強を始めています。
まとめ
行政書士試験は、誰にでも門戸が開かれた国家資格です。
でも、その内容は決して簡単ではなく、合格率は毎年10〜15%と難関の部類に入ります。
それでも、私はこの資格に挑戦して本当によかったと思っています。
法律の知識が身に付き、働き方の選択肢も広がり、自分の人生に自信が持てるようになりました。
「法律なんて無理」「独学じゃ無理」と思っている方にこそ、挑戦してほしいです。
少しでも興味を持ったあなたは、もうすでにスタートラインに立っています。
一歩を踏み出せば、その先にはきっと新しい世界が待っています。
行政書士試験、あなたもぜひチャレンジしてみてください。