2025年1月25日、ついに行政書士試験の合格発表がありましたね。
このブログを読んでくださっている方の中には、合格を手にされた方もいらっしゃると思います。本当に、本当におめでとうございます。

僕自身が合格したのは4年前。当時のことは今でも鮮明に覚えています。合格発表の日、通知を確認した瞬間に込み上げてきたあの感情は、何にも代えがたいものでした。努力が報われた、夢への扉が開いた、そんな実感が胸に広がりました。

けれど、今振り返ると、試験に合格したあの日は「終わり」ではなく、「始まり」にすぎなかったんですよね。

合格後に待っていた「戸惑い」と「迷い」

行政書士試験って、実は合格してからが本番なんです。僕も、試験勉強をしていた頃には想像もできなかったほど、開業後は分からないことだらけでした。
名刺の作り方から始まって、業務の種類、報酬額の相場、営業の仕方……。資格を取っただけじゃ全然戦えない世界がそこにはありました。

正直、最初の1年は「ひよっこ行政書士」でした。机上の法律知識はあっても、それをどう現場で使うのか、全然イメージできなかったんです。
でも、だからこそ思うんですよ。試験勉強中に得た知識や習慣、それを土台にどう動くかが、合格後の自分を形づくっていくんだと。

「独学応援」を始めた理由

僕がYouTubeで「行政書士試験・独学応援チャンネル」を始めたのも、そんな頃です。行政書士としての実務に不安があった僕が、唯一自信を持って語れることといえば、自分がやってきた試験勉強のノウハウくらいでした。

当時はまだ、YouTubeで行政書士試験について語っている人は少なくて、情報も限られていました。だからこそ、僕のような普通の人間でも、試験勉強で苦しんでいる人の力になれるんじゃないかと思ったんです。

運良く動画は多くの人に見ていただけて、今ではチャンネル登録者も2万人を超えました。でもこれは、僕の力というより「時代の流れ」に助けられた部分が大きいと思っています。

「芦別学問」で合格はできる

僕が一貫して主張しているのは、「行政書士試験は芦別(=足別)をしっかりやれば合格できる」ということです。これは、何年経っても変わらない僕の信念です。

一つひとつの肢(足)には、それぞれ背景があります。事件の経緯、重要な論点、該当する条文や判例。それを丁寧に理解していけば、確実に合格ラインには届きます。逆に言えば、芦別に出てくる問題の意味も分からないまま、テキストや講義を漠然と聞いていても、合格は遠のくばかりです。

よく「予備校を使わなきゃ受からない」とか「独学じゃ無理だ」って声を聞きます。でも僕は、そうじゃないと断言できます。必要なのは「やり方」であって、「教材の値段」ではありません。

向き不向きがあるのも現実

ここで少し、厳しい話もさせてください。

何年も努力を重ねてきたにもかかわらず、160点台、170点止まりという人もいると思います。そういう方の中には、正直言って「この試験は向いていない」可能性があるのも、また事実です。

もちろん、一年目で惜しい点数だった人は、来年こそ合格できるポテンシャルがあります。でも、2年3年と頑張ってきて、それでも大きな伸びがない方には、一度立ち止まって考えてほしいんです。

「このまま続けて、自分は本当に合格できるのか?」
「自分の人生にとって、この資格はどれだけ価値があるのか?」

僕は、何年もこの資格試験に挑み続けて心をすり減らすくらいなら、他の道を探すことも立派な選択肢だと思っています。だって、人生ってあっという間ですから。

思考力が求められる試験だからこそ難しい

行政書士試験の特性として、「記憶」だけでは突破できないという点があります。

択一式の問題ですら、「考えさせる」問題が非常に多い。条文の一部をわざと省いたり、細かい事実関係を読ませたり。単に暗記しているだけの人では、間違いなく引っかかります。

これはつまり、行政書士として実務に出た後、あらゆる法的判断を自分の頭で考える力を求められているということ。そういった意味で、「試験=現場での思考力を試す訓練」という見方もできます。

だから、試験に合格するためには、テクニックだけじゃなく「考える習慣」を身につけることが何よりも大切なんです。

合格してからが勝負の本番

合格された方に改めて伝えたいこと。それは、「本当の勝負はこれからだ」ということです。

行政書士として食べていくのは、決して簡単ではありません。就職口が豊富にある資格でもなければ、独占業務でバリバリ稼げる業種でもない。でも、それだからこそ「どう自分を売るか」「どう専門性を築くか」で可能性が広がる、自由な資格でもあります。

僕も、試行錯誤しながらなんとかやってきました。だからこそ、今このブログを読んでいるあなたにも、チャンスは必ずあります。

司法書士との比較と進路選択

合格後、ステップアップとして司法書士を目指す方もいます。確かに、ダブルライセンスを持てば業務の幅も広がりますし、収入の柱も増えます。

ただし、司法書士試験は行政書士試験とは比較にならないレベルの難関です。合格率3%前後という、狭き門です。年齢やモチベーション、自分のライフスタイルをしっかりと見つめた上で、「本当に司法書士がやりたいのか?」という問いには、正面から向き合う必要があると思います。

まとめ:自分の人生にとっての「行政書士試験」を考えよう

最後にもう一度言わせてください。

合格された皆さん、本当におめでとうございます。
これまでの努力は、間違いなくあなたの財産になります。

そして、不合格だった方も、どうか落ち込まないでください。170点前後の方であれば、まだまだ希望はあります。来年、最後の勝負に出るという決断も大いにアリだと思います。ただし、時間は有限です。勉強を「惰性」で続けるのではなく、自分の人生にとって本当に価値ある挑戦なのか、今一度考えてみてください。

行政書士試験は、ただの「資格」ではありません。
それを通じて「自分の可能性」と向き合う、大切な機会なのです。