こんにちは。私は行政書士として独立して数年が経ちますが、開業当初に一番悩んだのが「どの業務を中心にやっていくべきか?」という点でした。

「行政書士ってどんな仕事をすれば儲かるの?」
「相続とか民事系の業務が人気らしいけど、本当に食べていけるの?」
「やっぱり王道は“許認可業務”なの?」

そんな疑問を抱えている方、私もまさにその一人でした。そして今も、開業希望者の方から似たような質問をたくさん受けます。

そこで今回は、「行政書士の中で1番儲かる業務は何か?」というテーマについて、私自身の経験と知見を交えて、徹底的にお話ししたいと思います。

結論から言うと、「やっぱり許認可業務なんですよ」。

でも、ただ「儲かるからやりましょう!」という話ではありません。どんな仕事にも向き不向きがあるし、なにより“儲かる”には理由がある。

それでは、行政書士がやるべき“儲かる仕事”とは何なのか。順を追ってわかりやすくお伝えしていきます。


「儲かる仕事はこれだ!」なんて簡単には言えない

まず最初に断言しますが、「これをやれば絶対に儲かる」なんて業務は、行政書士の世界には存在しません。

もちろん、「この分野は今需要がある」とか「これを得意にしている人は強い」というのはあります。でも、誰にとっても絶対に稼げる“金のなる木”なんて業務は、正直ありません。

なぜなら、行政書士の仕事って、事務所の方針や所長の価値観によって全然違うんですよ。

例えば、地域密着で相続や遺言をメインにする人もいれば、法人向けに建設業許可や産廃許可をバリバリこなす人もいます。国際業務一本で食べてる人もいます。

だから、他人の成功例をそのまま真似してもうまくいくとは限らないんです。


民事系の業務は正直、私はやらない

ここでちょっと私の考えをお話しさせてください。

行政書士って、試験科目に「民法」があるせいか、開業するとつい民事系の仕事に惹かれる人が多いです。

たとえば、「遺言書作成」「相続手続き」「離婚協議書」など。身近な人の困りごとをサポートしたい、弁護士っぽい仕事がしたい、そんな想いで始める人も多いと思います。

でも、私は民事系の仕事は基本的にやっていません。理由はシンプルで、ライバルが強すぎるからです。

弁護士、司法書士、税理士…相続に関わる士業はごまんといます。
相続トラブルになれば弁護士、不動産の名義変更は司法書士、税金の問題は税理士…
じゃあ、行政書士はどこに立てばいいの?って話になります。

一応、遺産分割協議書や遺言書の文案作成など行政書士にもできる部分はあります。でもそれ、弁護士も司法書士もやってるんですよ。しかも、一般の方から見たら「法律に詳しい=弁護士」っていうイメージが根強いんですよね。

つまり、同じ土俵で戦うとどうしても不利なんです。


許認可業務なら、行政書士が主役になれる!

逆に、行政書士が「この分野なら負けない」と胸を張って言えるのが許認可業務です。

たとえば、以下のような業務がそれにあたります。

  • 建設業許可
  • 飲食店営業許可
  • 古物商許可
  • 風営法許可
  • 医療法人設立許可
  • 公衆浴場開設許可(サウナなど)
  • 介護事業指定申請
  • 在留資格(ビザ)関連

これらは「誰かが新しく事業を始めるとき」「既存のビジネスを広げるとき」に必要な手続きです。

しかも、行政書士しかできない仕事が多い。弁護士や税理士に依頼するよりも、行政書士の方が現場をよく知っているし、実務経験も豊富。

つまり、「この分野なら行政書士が一番頼りになる!」とクライアントに思ってもらえるんです。

これ、すごく重要なことですよね。


「得意」「好き」「需要」の3つが重なる業務を探せ!

とはいえ、許認可業務といってもジャンルは無数にあります。

「じゃあ、自分はどの許認可をやればいいの?」
こういう質問もよく受けるんですが、これに対する答えは簡単ではありません。

なぜなら、「人によって向き不向きが違う」からです。

私はいつも、「自分が得意なこと」「好きなこと」「需要があること」の3つを重ね合わせることをおすすめしています。

  • 得意:今までの仕事や経験から得たスキル
  • 好き:やってて楽しい・興味がある
  • 需要:世の中で求められている

この3つが揃えば、あなたにとっての「最強の業務」になります。

たとえば、あなたが建設業界の出身なら、建設業許可はめちゃくちゃ有利です。現場のことも知ってるし、業界用語も通じるからクライアントとの信頼関係も築きやすい。

また、語学が得意で国際交流に関心がある人なら、在留資格関連の業務(国際業務)を選ぶのもいいでしょう。


「時代の波」に乗るのも一つの戦略

もうひとつ大事な視点として、「時代の流れに乗る」ということも考えてほしいです。

ビジネスって、実力だけじゃなくて“波”があるんですよ。たとえば、コロナ禍では飲食店関連の支援業務が急増しましたし、今後は高齢化に伴って介護系の許認可が伸びるかもしれません。

そして、今とても注目されているのが「在留資格(ビザ)関連業務」です。

日本は今後、外国人労働者を受け入れていかないと経済が持たないと言われています。だから、外国人の就労ビザや技能実習、特定技能などの申請は今後ますます需要が高まっていきます。

この分野は一度軌道に乗れば、継続案件も多く、安定収入が得られるというメリットもあります。


実体験:私が許認可業務で見出したやりがい

私自身も、開業当初は「相続とか離婚とか、身近な人の力になれる仕事がいいな」と思っていた時期もありました。

でも、いざ始めてみると、全然案件が来ない。来たとしても、単発で終わってしまう。しかも、複雑で手間がかかる割に報酬も安い…。

そんなとき、知り合いの社長さんから「建設業許可を取りたい」という依頼を受けて、やってみたんです。

最初は苦戦しました。でも、終わったあとに「助かったよ、ありがとう!また何かあったら頼むわ」と言ってもらえて、リピートももらえました。

そこから、法人向け許認可を中心に業務を組み立てるようになり、今では安定して案件をいただいています。


まとめ

「行政書士で儲かる仕事は何か?」と聞かれたら、私はこう答えます。

「自分の得意な分野で、かつ行政書士が主役になれる“許認可業務”をやるべきだ」と。

ただし、許認可業務なら何でもいいわけではありません。
自分にとって得意で、興味が持てて、世の中に需要がある分野を選びましょう。

そのために、自分の経験を振り返って「何が得意だったか」「何が好きだったか」「何に向いていないか」を一度書き出してみることをおすすめします。

儲かる業務は、“自分にしかできない価値”を提供できたときに生まれるんです。
だから、焦らずに、でも戦略的に、進んでいってください。

もし今後、さらに詳しい許認可業務のジャンルについて知りたい方は、ぜひ私の公式LINEやブログもチェックしてみてくださいね。